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2012年03月18日

ベニスに死す

ベニスに死す 
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
原作:トーマス・マン
主演:ダーク・ボガード/ビヨルン・アンドレンセン


作曲家アッシェンバッハは老いと心労が重なり
過労で倒れてしまう。
医者に静養を勧められ一人で訪れたヴェニスで
観光客の中に美少年・タジオを見出す。


地元の個性派映画館「桜坂劇場」http://sakura-zaka.com/
上映されていたので、10年来のタジオファンとしては行かずにおれません!!!

大画面でタジオを見たかっただけなので、
遠い昔に居眠りこいたほど退屈だった映画の内容は二の次でした。

ところがどっこい、
久しぶりに映画館で泣くほど感動してしまいました。

主人公アッシェンバッハの物語なのですが、
心理描写や独白などは一切なし
ただ淡々と俳優の演技と回想シーンだけで物語は進みます。
更にこの映画は回想シーンに唐突に入るので、最初は若干面食らいます。

以下、ストーリーの全容です。

アッシェンバッハは規律と理論で美を作り出すことを至上とする。
しかし、美は感覚と偶然から成るものと主張する友人としばしば口論になった。
友人は美のために努力をするな、美と出会うため悪徳にも不道徳にも手を染めろというが、
アッシェンバッハは耳を貸さない。
そんななか、アッシェンバッハ懇親の交響曲が大失敗し、彼は酷いブーイングを浴びる。
人生をかけて貫いてきた信念が全否定されたのだ。
彼は倒れ、一時危篤に陥る。

ベニスに死す

そんなアッシェンバッハが療養先で出会う絶世の美少年タジオ。
サロンで行儀良く座るタジオ、ビーチで少年たちと戯れるタジオ。
どこにいても完璧な美をたたえるタジオと、
彼に吸い寄せられるように後を追うアッシェンバッハ。


禁欲の権化だったアッシェンバッハは
自分の子供ほどの年齢のタジオに迂闊に声をかけられない。
ましてや愛してるなんて告げられるわけは無い。

タジオは知ってかしらずか、アッシェンバッハに振り向きざま微笑を投げる

 ベニスに死す


ヴェニスでコレラが蔓延し、観光客が非難していく中
早くから伝染病に気付きながら、
タジオにその危険を伝えるタイミングをうかがっていたアッシェンバッハ。
ついに病魔につかまりながら、愛するタジオと言葉を交わす日に備え
床屋でなれない美容に精を出す。

結局はタジオがホテルを後にすると聞き、
アッシェンバッハは理想の美と一言も言葉を交わすことなく絶命する。


ネタバレここまで

せつない・・・・。とてもせつない。

信念と本能との間で懊悩するアッシェンバッハがぐっときます。
才能は枯れ、自信を失い、老いて頑固な男が
みっともなくなっていく様が悲壮感を盛り上げています。
だって相手はタジオだもん
ベニスに死す

美しいって罪だわ~
そりゃ理性なくすよね~


昔VHSで見た頃よりストーリー、俳優の演技、音楽に見所を感じた私は
少しは成長しているようでした(笑)

この映画は平たく言えば壮大な萌え死にです。
好きも嫌いもあけっぴろげに口にでき、
官能までギャグにできる現代だからこそ
この映画のすばらしさはわかりやすいのではないかと思います。


ちなみにこんな物もあります

この映画で行われた「タジオ」役のオーディションドキュメンタリー



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Posted by 沖縄でゆきお at 00:18│Comments(0)雑記
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